塩分を控えよう!でもどうやって?

食塩の摂り過ぎが、血圧を上げる作用として働くことは、多くの研究やこれまでの統計値から明らかになっています。

 

1998年には、日本をはじめ32か国の1万人を対象にINTERSALTの調査研究の結果、食塩を多く摂る人ほど血圧も高いという関連性の報告がされています。

 

しかし、食塩の量と血圧が比例する程度(食塩感受性)には、実は個人差があるということもわかっています。

 

中には、食塩をたくさん摂っているのに、血圧は全く上がらない、と言う人もいます。

 

自分はどうか、というと、家族に高血圧の人が多い、とか、年齢が高い、という方には、やはり食塩の量と血圧の高さに関連性が出やすいようです。

 

 

減塩の効果

 

現在のところ、食塩感受性を測る方法には日常的にできるようなものはありません。

 

ですから、一般的には誰でも食塩の量は減らすべし、ということが原則です。

 

それに、食塩の摂り過ぎは胃ガンのリスクを高めますし、食塩を減らすことで心臓病の一つである左心室肥大を軽くしたり、タンパク尿の程度を軽くする、動脈の柔軟性を上げる、降圧剤の効果を促進する、ナトリウムの排泄に効果のあるカリウムが減るのを防ぐ、などの良い効果が得られます。

 

ですから、食塩感受性が低い人でも、食塩は減らした方が良いんです。

 

日本人の成人に求められる1日の塩分摂取量の目標は、男性10g未満、女性8g未満です(「日本人の食事摂取基準(2005年版)」より)。

 

しかし、もし既に高血圧を発症しているならその基準はさらに厳しくなります。

 

高血圧患者の場合には、1日6g未満が目標数値です。(日本高血圧学会、高血圧治療ガイドライン2009)

 

最近の日本人の塩分摂取量は、1日平均11〜12gなので、高血圧の方は、一日の量を半分にしなければならない、という訳です。

 

なかなか難しい数値目標ではありますが、できなければせめて日本人の成人の目標塩分摂取量が守れるようにするのが望ましいです。

減塩の実践方法

塩分は血圧の敵なので、塩分を控えるようにしましょう。

 

とはいえ、成人の標準的な塩分摂取量は11〜12gなので、急激に塩分を控えるだけでは、食事を美味しく感じることができません。

 

逆に美味しくないと感じると食事がストレスになり、かえって血圧を下げる効果が低くなります。

 

塩分を控えるコツは、「徐々に薄味に慣れていくこと」で、十分に塩分を減らしていくことができますよ。

 

減塩調味料を使おう!

最近は、減塩が注目されてきて、普段通りに使っていても塩分量を減らすことができる調味料なども販売されています。
調味料を変えるだけでも自然と減塩できてしまうので、塩分含有量を確認することが大切ですね。
どうしても塩分が欲しい時には、減塩しょうゆや減塩みそなどを活用したり、ドレッシングをマヨネーズにしてみたり、など塩分を意識した調味料に変えてみてもOK。
◆調味料に含まれる塩分量(g)◆

食 品

小さじ1

 大さじ1

食 品

 小さじ1

大さじ1

食塩

6.0

18.0

ウスターソース

 0.5

1.5

濃口しょうゆ

0.9

 2.6

中濃ソース

0.3

  1.0

薄口しょうゆ

1.0

2.9

ケチャップ

 0.2

0.5

減塩しょうゆ

0.5

 1.4

オイスターソース

0.4

 1.3

信州みそ

0.8

2.4

マヨネーズ

0.1

0.2

赤みそ

0.8

2.3

ドレッシング(乳化型)

0.2

 0.5

白みそ

0.5

1.5

 ドレッシング(分離型)

0.4

1.1

減塩みそ

0.4

1.0

 中華だし

1.8

-

麺つゆ(ストレート)

 0.2

0.5

ブイヨン

1個=2.3

 
麺つゆ(3倍濃縮)

0.5

 1.6

チキンコンソメ

1個=2.3

 
ポン酢しょうゆ

 0.5

1.5

カレールー

1かけ=2.1

 
和風だしの素

1.2

-

トマトピューレ

微量

 

 

薄味に慣れる

塩分量を減らすための第一歩は、塩味の薄さに慣れることです。
昆布やかつおぶしなど、ダシの風味を生かすと薄味でも美味しく食べられます。
特に新鮮な食材を使うと、素材の味を楽しみながら減塩を行なうこともできます。

 

漬物、汁物を減らす

漬物や汁物は塩分量が多いので、食べる回数や量を減らしましょう。
漬物の場合は、浅漬けか、一旦塩出ししてから食べるようにすると塩分が減らせます。
汁物は、野菜などの具を多くすれば、汁の量を減らせますし、麺類を食べる際は、汁は必ず残すようにしましょう。

 

塩味は効果的に

献立を考える時には、様々な味付けのものを揃えて効果的に塩味を使いましょう。
塩を使う際には、食品の表面にさっと振り掛けるように付くだけで、塩味を感じられます。

 

「かける」より「つける」

しょうゆやソースは、かけて食べるのではなく、つけて食べましょう。
その方が塩分摂取量を減らせます。

 

酸味を使う

酸味を使って、味付けに変化のある献立を考えましょう。
酸味を使うことで塩分を減らすことができます。
あえ物や焼き物には塩の代わりにレモン、すだち、カボスなど柑橘類やお酢を使うようにしましょう。

 

香辛料をたくさん!

味付けに変化を与えるのも手です。
トウガラシ、コショウ、カレー粉などの香辛料をうまく使い、変化を与えることで減塩をしてもおいしく食べることができます。

 

香りを活かす

香りを活かすのも、薄味メニューに変化が付きます。
ゆず、しそ、みょうが、ハーブなどの香りのある野菜、海苔、かつお節などを加えてみてください。

 

香ばしさ

香ばしさも薄味を感じさせません。
焼き物にする、イリゴマやくるみと和えると香ばしさを出すことができます。

 

油も味です

揚げ物や油いためにすると、油の味を活かすことができます。
ゴマ油やオリーブオイルも少しかけると風味をだすことができます。
ただし、油は脂質ですから、摂り過ぎには気をつけましょう。

 

酒の肴は要注意

酒に合う料理は、塩分量が多いものが多いので、控えましょう。

 

練り製品・加工食品は要注意

かまぼこやはんぺん、さつま揚げなど練り製品、ハムやベーコンなどの加工食品には塩がたくさん含まれますので、摂り過ぎは禁物です。
◆食塩量の多い食品(g)◆

食品名

重量(g)

目安量

塩分量(g)

塩鮭(甘口) 

 80

1切れ

 2.1

塩鮭(辛口)

 80

1切れ

 5.1

たらこ  

50

1腹

 2.3

いか塩辛  

20

小皿1枚

1.4

あじ干物   

60

小1枚

1.0

いわし丸干し

80

2尾

3.0

しらす干し

10

大さじ1・1/2

0.4

かまぼこ  

 25

2切れ

0.6

ちくわ

30

1本

0.6

はんぺん

100

1枚

1.5

さつま揚げ

50

1枚

1.0

つみれ

35

1個

0.5

のり佃煮  

15

 大さじ1

0.9

昆布佃煮

5

0.4


梅干し 

13

中1個

 2.9

たくあん

 30

3切れ

1.3

野沢菜漬け

30

小皿1枚

 0.7

福神漬け

15

大さじ山盛り1

0.8

キムチ

 30

小皿1枚

0.7

即席ラーメン

100

1個

 5〜6

レトルトカレー

 210

1食分

 2.8〜3.9

ミートソース

150

1食分

 3.0

冷凍ピラフ

250

1食分

3.2

味付けご飯(真空パック)

 200

1パック

1.4〜2.1

インスタントみそ汁

 20

 1袋

 1.9

インスタントコーンスープ

 20

 1袋

 1.3

 

◆食塩量の比較的多い食品(g)◆

食品名

重量(g)

目安量

  塩分量(g)

食パン      

60

6枚切り1枚

0.8

ロールパン

60

2個

0.8

そうめん

 100

2束

1.9

ロースハム   

20

 薄切り1枚

0.5

ウィンナー

30

2本

0.6

ベーコン

20

1枚

0.4

チーズ     

28

三角チーズ1個

0.8

バター

13

大さじ1

0.2

マーガリン

13

大さじ1

 0.2

塩せんべい

 20

大2枚

0.4

歌舞伎揚げ

30

大2枚

 0.8

ポテトチップ

 20

15枚

0.2

さきいか(くん制) 

20

 

1.4

カップケーキ

70

1個

0.7

みたらしだんご

60

1本

0.4

 

食べすぎ注意

せっかく減塩を行なって料理を作っても、たくさん食べたら元の木阿弥。
塩分量もカロリーだって増えてしまいますから、食べ過ぎには注意しましょう。
これは減塩しょうゆや減塩味噌にも同じことが言えます。

 

外食は控える

外で食べる食事は楽しみの一つですが、美味しい代わりに塩分が多く使われています。
塩分を確認することができるなら、塩分含有量が少ないメニューを選ぶようにしましょう。
また、カツ丼、チャーハンなどは単品ではなく、サラダを組み合わせてバランスよく食べる、肉よりは魚中心などのメニューを優先的に選ぶようにすると脂肪分も抑えられます。
◆外食料理の塩分量(g/1人前)◆

料理名(単品)  

塩分量

料理名(セットメニュー)

塩分量

天丼  

3〜4

焼き魚定食

4〜5

カツ丼  

3〜4

生姜焼き定食

4.5

親子丼 

 3〜4

天ぷら定食

5.3

牛丼  

3〜4

トンカツ定食

 4.4

うな重 

4〜5

刺身定食

3.7

にぎり寿司  

4〜5

すき焼き定食

6.3

チャーハン  

2〜3

レバニラ定食

5.3

カレーライス 

2.5〜3.5

 肉野菜定食

5.9

おにぎり2個  

2.5〜3

麻婆豆腐定食

5.8

ざるそば  

4〜4.5

酢豚定食

6.4

かけそば  

4.5〜5

八宝菜定食

7.6

天ぷらそば  

4.5〜5

エビチリ定食

6.3

焼きそば  

4〜5

焼肉定食

6.0

冷やし中華 

3.5〜4

ステーキセット

5.2

ラーメン 

5〜6

ハンバーグセット

4.2

餃子  

1.5

ビーフシチューセット

 5.3

スパゲティミートソース  

2.5〜3

ミックスフライセット

3.8

ハンバーグ  

2〜3

松花堂弁当

4.2

グラタン  

1.5〜2.7

コンビニ弁当

3〜5

ピザ 

1.2〜3

ハンバーガー&ポテト

2.5〜3

ピラフ

2.5〜3

   
ポタージュスープ

1.5

   
みそ汁

1.0〜1.2

   
すまし汁

0.8〜1

   
サンドウィッチ  2.3〜2.7    
ハンバーガー  1.4〜2.8    

 

 

 

 

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